担当教員

及川 靖広

教授・博士(工学)

人間にとって音は重要なコミュニケーション手段です。音響コミュニケーションの本質である音は空気の疎密であり、縦波として媒質中を伝わります。当研究室では、音響的なコミュニケーションの経路である「音の発生」、「空間の伝播」、「耳による知覚」という三領域においてコミュニケーションコンテンツが伝わるありさまを観察すると同時に、それぞれの領域においてコンテンツの流れを促すコミュニケーションエイドを創ることを目指し研究を行っています。 


尾形 哲也

教授・博士(工学)

コミュニケーション形態(表現)の創発の理論の確立と、その応用として人間と新しいコミュニケーションを可能とするロボットシステムの実現を目指して研究を行っています。具体的にはディープラーニングに代表される人工神経回路モデル、機械学習手法を利用した、ロボット動作の模倣学習、異種のモダリティの統合モデル、人間とロボットの協調インタラクション、記号と実世界との接合、自己モデルと他者モデル、道具の身体化など、新しいロボット知能と表現システムに関する研究を進めています。


河合 隆史

教授・博士(人間科学)

人間工学とは、システムにおけるヒトと他の要素とのインタラクションを理解するための科学分野の総称です。私の研究室では、近未来に普及が期待される、先端的なメディアシステムに着目し、人間工学のアプローチを用いて研究を進めています。
例えば、立体視映像(3D)を対象とした研究では、安全性や快適性に加え、認知・情動といった観点から検討を行っています。これらの成果は、国内外の3D映画の制作でも、実際に活かされています。また、バーチャルリアリティやミックストリアリティを対象とした研究では、映像酔いなどの不快感の軽減やユーザ体験の向上に関する取り組みを行っています。 


郡司 幸夫(郡司ペギオ幸夫)  

教授・理学博士

表現とは何でしょうか。自分の内にある何か言わんとすることを、外部に向けて表すことでしょうか。しかし外部と無関係の、内側にあるものなんてあるのでしょうか。むしろ表現とは、私、いや人間、いや生命体が、外部との関係において自ずと実現してしまう結果ではないでしょうか。身体や、振る舞い、生きていること自体が表現だと言えるでしょう。これらが何であるか、逆に言い当てることは困難です。なぜならば外部とは直接知覚し、認識することが不可能だからです。すなわち、表現とは何かという問いは、内側からは窺いしれない外部との接触を解読することです。決してうかがい知れないという意味で、内と外の接触は異質なものの接触です。表現とは何かを理解するとは、等質的データ世界における記号操作なのではなく、異質性に基礎を求め世界を理解することに他なりません。私たちの研究室では、この意味での表現とは何かという問いを、数理的モデル、動物の行動実験、人間の認知実験、などを通して全面的に展開します。


是枝 裕和

教授

世界の豊かさと出会う道具として目と耳を、そしてカメラを駆使して、作り手は作品を作っています。その豊かさを感じようとする姿勢こそ、創作行為の出発点にあると信じています。そのような視座に立ちながら、学生とともに驚き、悩み、発見していきたいと思います。


橋田 朋子

教授・博士(学際情報学)

植物、日用品、ガジェットなどの自然物から人工物まで、身近な対象に少しだけ手を加えることで意外な機能を、連想力を働かせることで新たな価値を見つけること、に取り組んでいます。このような対象の“別の在り方”を顕在化させるメディア技術や表現は、受け手に“よく知っているようで思いがけない、見慣れないけどありうるかもしれない”を残し、対象を再発見する楽しさや自律的な思考を生み出すと考えています。


渡邊 克巳

教授・Ph.D.(認知科学・心理学・神経科学)

心を研究対象としています。心という主観的な現象に対して、認知科学・心理学・脳神経科学等の方法を使って、心を作り出している意識的・無意識的過程の科学的解明、認知科学のその他の研究分野への拡張、それらの知見の産学官連携を通じた社会への還元を目指しています。私たちが(個人的に)確実なものと信じているこの世界の危うさを綿密な実験によって示すとともに、(それにもかかわらず)私たちのそれなりに安定した日常生活を可能にしているものは何なのかを調べることを基本とし、「個人の主観的経験という万人に共通する現象」を軸に据えることにより、人間の心を真剣に研究するための科学的な立場を維持し、研究分野の枠を積極的に越えるための基盤としての認知科学・心理学・脳神経科学の展開を行います。


ジャック ジェームズ

准教授・博士(美術)

ポジティブな関係性を構築するため、生きているコミュニティーと環境に関与するアーティストとして活動。ストーリー、海、大地を現代アート実践の中心に据えて研究ベースを築き制作しています。多岐にわたるオープンな芸術的アプローチのキーワードはエコロジカル、協働的、オルタナティブ、列島的など。アートを中心として関係性を再生するために、創造し、考察し、繋がりながら想像的な方法でボーダーを越えていきましょう。


森本 洋太

准教授・作曲家

ヒトはなぜ音楽をするのか、音楽に心を動かされるのか、そういった不思議や感動を科学することを学びます。音楽はヒトの音感覚のノウハウの集積であり、その変遷や進化を捉え科学するためには、音響学、音響生理学、音響心理学などの近代科学的なアプローチだけでなく、楽器学(organology)のように、古今東西の楽器の系統分類をトレースする方法や、作曲法の研究など、多面的な取組みが必要です。耳を澄まし、手を動かし、音を発したりしながら、一緒に未来の音楽や音文化を考えましょう。 


土田 環

講師

観られること、上映されることによって、映画は、初めてひとつの作品として成立するのではないでしょうか。部屋のなかに閉じこもってモニターを見続けるのではなく、映画館あるいは公的空間のなかで「観る」という経験を共有することこそ、イメージを豊かなものへ変える力となります。映画において、「作ること」「観ること」、「観せる(魅せる)こと」を切り離すことなく、その関係を研究していきたいと考えています。作品それ自体の分析のみならず、創作への批評的な意識と倫理、新たな表現を支える技術と思考、社会における普及とそのシステムを、映画の歴史を通して、映画館や映画祭という場を通して考察します。それは、従来の芸術において考えられてきた、作品の「作り手」と「受容者」との関係を再考することにつながるでしょう。


福里 司

講師・博士(工学)

映像作品(例:3DCG作品や手書き作品)を制作するためには、デザイナによる「手作業」が必要不可欠です。しかし、この方法は、デザイナに多大な作業時間と労力を要求してしまう問題が存在し、将来的にはデザイナの経験的な技術は失われてしまう可能性があります。そこで、コンピュータ・グラフィック分野とヒューマン・コンピュータ・インタラクション分野の側面から、デザイナの経験的な技術の定式化・システム化に関する研究に着手しています。


伴地 芳啓

講師・博士(工学)

人間から取得されるデータはさまざまあります。主観的―客観的、意識的―無意識的に表出する人間の反応を人間工学×データサイエンスの観点から研究しています。特に、新しいシステムに対した際の人間の反応に興味があります。“現実”が人間を通じたデータからどの様に表現されるか模索します。


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